悠悠緩緩とゆく  寄稿コーナー
      グランドティトン編へ  イントロ

 ☆ 2008年アメリカ国立公園ドライブ旅行  

グランドティトン・イエローストーンの旅 ☆

 

イエローストーン国立公園には東西南北のゲートから入場するのだが

ソルトレイクシティからグランドティトンを経由してイエローストーン

に南から入るルートはこの二つの素晴らしい国立公園を堪能できるベス

トルートと言っても良いだろう。

 

アメリカ西部に位置するイエローストーン国立公園は1872年に世界

最初の国立公園に認定された。ここはワイオミング州、モンタナ州、

アイダホ州にまたがり、総面積は四国のおよそ半分、標高約2,000

メートルの広大なフィールドには森林、草原、湖沼、峡谷等、国立公園

としての主要素を有するだけでなく公園内のいたるところに温泉、間欠

泉が湧き、更にはグリズリー(灰色熊)、ブラックベア、ムース(へら

鹿)、エルク等の大型野生動物の宝庫である。

公園内のおもな見どころをつなぐグランドループと呼ばれる8の字型

の周回道路がある。一周は約230Km、観光の目玉である北西の

Mammoth Hot Springs、北東のTower-Roosevelt、東のCanyon Village

南西のOld Faithful、南東のLake Villageを観光するにはその周回型

8の字道路を利用し最低4日はみないと十分な観光ができないと言われ

ている。

 

グランドティトンで3日間を過ごしいよいよグランドティトンの

アンテロープ ルックアウトからイエローストーンに向かう。

                

[413M]  ≪1030

 

凡例 →[ソルトレイクからの距離:マイル] ≪地点での時刻≫

 

 

☆イエローストーン国立公園、グランドティトン国立公園☆

 

YellowMap

 

☆  その2  イエローストーン  ☆

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【グランドティトンからイエローストーンへ】      2008年8月27日(水)

 

グランドティトン国立公園とイエローストーン国立公園は隣接しており山道

を1時間程度でイエローストーン南入口に到着する。イエローストーンは

定期的に山火事に有っているので道路から見える森林には焼け焦げた樹木

も見られる。南入口からは徐々に平地走行になりすっかり雰囲気が変わる。

Grant Villageで右折し東に向かいイエローストーン湖岸に沿って走る。

暫く走りLake Villageに到着。十和田湖の休屋若しくは芦ノ湖の元箱根を

多少寂しくしたような雰囲気だが恐ろしく風が強い。今日の宿は地区のラン

ドマーク的なレイクホテルだがこの湖に面したレイクビレッジのゼネラル

ストアで昼食をとった。まだ昼下がりで時間もあるのでいよいよイエロー

ストーン観光開始。レイク地区で中心地となっているフィッシングブリッジ

にはキャンピング場、グローサリーストア等がありここでガソリンを8.5

G入れてからCanyon Villageに向かう。

[503] ≪13451355

 

レイク地区からキャニオン地区に向かう道路は少しづつだが登りにかかって

いるようだ。突然、前方の車が順次停止しだした。渋滞になっている。交通

事故でもと思っていたら、なんとバイソン(バッファロー)が10数頭以上も

道路をふさいでいる。また辺りの草原には100頭程度のバイソンがのんびり

と草を食んでいる姿が遠望できる。他の自動車同様に順次、道路をふさいで

いるバイソンの脇をゆっくりとすり抜けキャニオン地区に向かう。

道の右側には湖から流れ出た水を湛えたイエローストーン川が穏やかに流れて

いる。このバイソンが生息する草原は広大で数キロ四方は一望である。

この広大な景色はアメリカならではの大きさと言えよう。

 

2008_08312008年イエローストーン、グランド0216

【イエローストーンではバイソンに道路を塞がれるのは定番かも?】 

 

2008_08312008年イエローストーン、グランド0253

【レイクからキャニオンに向かう   右にはイエローストーン川】  

 

キャニオンの交差点で左に折れて西に向かう。すっかり山岳道路の雰囲気だ。

最初の間欠泉(Geyser)としてNorris Geyser Basinに向かう。ノリス地区

に湧く間欠泉の窪地の意味である。快晴の下、だだっ広い場所に温泉が湧い

ている。草津や登別温泉の大型版と言う感じだ。湯気が噴き出る間欠泉でム

ービーを映していたら突然湯気が襲ってきてあたりが全く見えなくなった。

するとムービーカメラがカタカタと異音を出している。その内にピントが

合わなくなってしまった。きっと硫黄でやられたのだろう。明日からの目玉

の場所をムービーで撮れないのは辛い。まあ古い機械なので仕方ないか?

 

2008_08312008年イエローストーン、グランド0236

【ノリス ガイザー ベイスン】  

 

ノリスガイザーは思っていたより観光客が少なかった。矢張り人気の中心は

オールドフェイスフル、モンモスホットスプリングスなのだろう。

14451645

 

再びグランドループの8の字の真ん中の道でキャニオンに向かう東に戻る。

途中で何回もバッファローに道をふさがれる。最初は珍しいが頻繁に遭遇する

と交通の邪魔なだけだ。キャニオンで右折して南のレイク地区に戻った。

[561] ≪1745

 

2008_08312008年イエローストーン、グランド0248

【道路端をのんびり歩むバッファロー  ノリスからキャニオンへの道で】

 

レイクホテルはこの辺りの中心のホテルらしくホテルゲスト以外もいるのだ

ろう。ロビー周辺は大勢の人でにぎわっている。案の定、部屋からの電話で

6時過ぎで、とレストランを予約したらなんと9時半以前は空いていない

と言う。ホテルゲストだけでなくこのヴィレッジ周辺の観光客にはここでち

ゃんとした夕食を食べたい人が多いのだろう。それならいいや、と言うと、

電話の向こうでダイアナ・ロス並み?大声でしかも早口の女声の相手が9時

半で是非、と食い下がる。こちらとしてはそんなに遅くては腹が減るので、

もういい、別を探すと言っているのに先方はしつこくリザベーションをとら

せようと食い下がって再度、9時半ではどうか? とまくしたてる。

そもそも10時がクローズなのに9時半とは何事か! 食事の時間はある

のか? と言っても諦めない、彼女のノルマなのかも? 電話で口喧嘩する

にもこちらはボキャブラリー不足なので途中で電話を切った。

やむなく昼間にあたりをつけておいたフィッシングブリッジに行く。ゼネラ

ルストア内に併設のスタンド式のグリルには我々同様な夫婦連れ、子供連れ

の客が静かに食事をしている。美人の金髪娘にビールを頼んだらビールは置

いていない、飲みたければ奥のグローサリーで、と優しく言われたのでわざ

わざ買いに行ってバド缶を買った。$3超で少し高いが問題なし、あるだけ

でもOKだ。ヨシはチーズバーガー、僕はポークサンドイッチを食べた。

サンドイッチに挟み込まれたプルドポークは誠にグッドだ。美味いものが

少ない?アメリカでは本当に美味いと思う。

夕食後、レイクホテルに戻った。夜遅くなっているので駐車場は車が多いも

ののひと気が無く寂しい限りだ。ロックして車から去ろうとする際、車のル

ームランプがいつまでも消灯しない。スイッチを見つけたが分からない。何

をやっても駄目なので傍を通りかかった軽装の白人に、こちらは日本人だが

この米国車の操作が分からない、と尋ねたがなぜか苦笑され申し訳ないが自

分も分からないと、拒否された。その人の次の発言は「Iam French !

、ったくもう。お互い笑うしかない。呼び止めたので去る時にメルシー、と

言ったらなぜか驚いて嬉しそうな顔をしていた。

困った、更に暗く感じるこの大きな駐車場には通りかかる車も少なく、たまに

駐車場所を見つけに通りかかる車に暗闇から男が手を上げても止まってくれ

ないだろう。それならとヨシに手を挙げてもらい、漸く止まってくれた車は

白人夫婦でそれも米国人だった。その旦那に操作を教わったが、指先で回転

させるスイッチがトランクオープナーとルームランプ併用・連動していて、

それも微妙な位置で複数の操作機能が決定されるのだ。難しいね!? 

と言うとその人も、まあそうかもね、と半ば同情したようだったが・・

これこそ米国中心の勝手なマンマシンインターフェースオペレーションだ、

GM車だけの操作方法かも知れないがとんでもないノン・ユニバーサルデザ

インと思う。すっかり草臥れて部屋で寝付いた。

          $143+6% tax

 

 

 

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LakeからMammoth Hot Springs そして Tower-Rooseveltへ】 

                             2008年8月28日(木) 

 

[567] ≪1010

 

昨夜の疲れもあり、今回の旅行で始めてのんびりとして8時過ぎに起床。今

日は風もなく昨日と違って暖かいし何よりも最高の快晴である。レイクホテ

ルの前のイエローストーン湖は大きいからか、だだっ広いだけの湖に思えた。

レイクホテルから行き慣れたフィッシングブリッジに向かう。ゼネラルストア

内の同じスナックで朝食をとる。僕はベーコン&エッグ、ヨシはオムレツを、

アメリカではこんなコンビニエンスな小さな店でもエッグの処方をオーダー

できる。ボイルド若しくはポーチドエッグで? と金髪の若いウェイトレスに

言ったらできないと言われ、仕方なくサニーサイドアップといったら案の定、

笑顔が返ってきた。

 

2008_08312008年イエローストーン、グランド0249

【イエローストーン川   遠く草を食むバイソンが見える】 

 

キャニオンに向かう。途中の道ではまたバイソンに通行を邪魔される。もう

見慣れたバイソンは、ただ図体の大きい「ケーシー高峰顔の牛」?

キャニオンの手前に右に入る道を行くとBrink of Upper Falls Trailの駐車

場に到着する。珍しくアフリカ系アメリカ人(黒人)の観光客がいた。滝か

らの道を戻ってきたその黒人の老人夫婦に滝までの道を問う。かなりよたよ

たしていた爺さん「それほどでもないよ、俺の杖を使うかい?」ってな冗談

を言っていた。イエローストーン川沿いに歩いて下る。平原では静かに流れ

ていたイエローストーン川は今では溢れんばかりに水量豊かに岩を噛むよう

な流れに変貌している。暫くしてアッパー滝の上に出る。大きな音をたてて

いるが滝壺は見えない。

[585] ≪1150 12:10

 

2008_08312008年イエローストーン、グランド0267

2008_08312008年イエローストーン、グランド0256

【ノースリムからのアッパーフォール  滝壺は見えない】

 

駐車場を出てキャニオンジャンクションから西にノリス方面へ向かい、

そしてマンモスホットスプリングスに向かう。交通量も減り平凡な山道に

なってくる。マンモスホットスプリングス地区に着いた。

手前に大きな駐車場がある。Lower Terraces Areaである。

快晴の中、マンモステラスへの木の階段を登る。硫黄の小山のあちらこちら

から噴煙が上がっているので熱さが伝わってくることもありとても暑い。

流石に観光地、色々な人種の観光客がいるようだ。写真を撮ってくれた女性は

クロアチアからだと言っていた。

 

 

 

2008_08312008年イエローストーン、グランド0291

【 マンモスホットスプリングス 】

 

モンモスホットスプリングスは有名な観光地の雰囲気を醸し出しており、

ヴィジターセンター、ゼネラルストア、ホテル等がある。ここは北入口から

近いせいか快晴の空の下、多くの観光客が押し寄せている。

今度はUpper Terrace Driveに行く。Lower Terraces Areaに比べUpper

Terraces Areaはバラエティに富んでおり、湯を満々と湛えた巨大なテラス等

を見て回る。流石に世界有数の大温泉湧出地帯、広大な温泉がいたるところに

噴き出ている。日本なら大温泉地となるだろう。

[626] ≪1310 15:15

 

2008_08312008年イエローストーン、グランド0301

【マンモスホットスプリングス  アッパーテラス】

 

2008_08312008年イエローストーン、グランド0327

【マンモスホットスプリングス アッパーテラス  巨大な温泉が湧く】

 

マンモスホットスプリングスからタワールーズベルトへの道は交通量も少なく

林間の静かな道で緩やかに下って行く。暫く行くと展望の開けた場所に牧場の

入口のようなルーズベルトロッジのゲートがあらわれた。イエローストーン

公園の他地区とは全く趣の違う静かなと言うか寂しげなたたずまいの

Tower-Roosevelt Lodgeに着いた。

[644] ≪1555

 

 

タワールーズベルト地区は中西部の牧場そのもののよう。かの26代大統領

セオドア・ルーズベルト大統領がこの地に出向いた折に宿泊したからその

名前をつけたと言われているルーズベルトロッジは古色蒼然たるロッジ、

というより大きな山小屋の雰囲気である。

 

2008_08312008年イエローストーン、グランド0330

【タワールーズベルトのゲート 前方の道はイエローストーン北東入口に続く】

 

 

2008_08312008年イエローストーン、グランド0333

【ルーズベルトロッジのキャビン  ストーブの煙突を備えている】

 

ロッジ前に車を止める。まるで映画の西部劇みたいな風景だ。ロッジのデッキ

に並んだロッキングチェアーに深く腰掛け、止まり木に足を乗せた連中が何者

が来たか、と言う感じでこちらを見下ろしている。それら10人近い白人の

視線に多少なりとも気後れしながら、これまた古臭く戸締まりも不完全な扉を

開けて暗い室内に入る。アメリカの国立公園内には有名なヨセミテのAhwanee

Lodgeに代表される歴史ある高級イメージのホテル、ロッジを有するXanterra

社が運営しており、ここも同社運営だが雰囲気はその正反対で質素というか

100年前の開拓時代のインフラストラクチュアである。

レストランの兼用カウンターで鍵を渡され、写真にあるような大きな犬小屋

みたいなキャビンの場所を示された。案の定、鍵は簡単には開かず、通りか

かった白人に助けてもらってその開拓時代風の丸太小屋に入る。室内は質素な

ダブルベッドが占有、入口付近にはストーブ、あとは書き物も困難な極小机

があるのみである。シャワー、トイレなんぞあるわけがない。狭苦しい部屋

にはいたたまれないので外へ出て目の前が開けた草斜面に腰を降ろす。昼下

がりの国立公園には暖かな風が流れている。

風に乗ってかすかなアルコールの良い香りが漂ってくる。近くの木の椅子

に頭を寄り掛けてなんやら書物をよんでいた白人が話しかけてきた。先程、

鍵の開け方を教わった人だ。そうかこの人が飲んでいるマグカップの中身の

イングリッシュティーからの香りなのだ。彼はカナダのバンクーバーからの

旅行者とのこと。彼が立ち去ってから、こちらも癒しの真似事じゃないが少

しの時間はそれらしく身体を横たえたが、所詮はせっかちなジャパニーズ、

のんびりと自分の時間を楽しむことは僕らには真似できない。

ロッジに出向いて夕食の予約を取る。早めの時間は満員!7時過ぎに予約が

取れた。食事を待つ間、通常ならオイスターバーがあるが、ここではそんな

ものは望めない。壁の棚には一応格好付けのリキュール類が飾ってあるが

ドリンク受け渡しだけのカウンターのみ、そこでバドワーザーを頼んだ。

つまみは?というとその髭のおっさんが、「そんなものはねえ、欲しけりゃ

ゼネラルストアで買えと・・。ソーセージの缶詰を買ってロッジに戻り、

ルーズベルトが暖をとったと言われる暖炉、見かけは立派だが今はガスの火

が細々と燃えているだけ、雰囲気はあるのでそこでビールを。

暫くするとけたたましい音がして先程渡されたページャーが鳴った。

なんてことのない食事も終わった。あとは寝るだけ。

温度は相当下がってとても寒い。コテージの暖気はストーブだけらしい。

狭いダブルベッドで十分な保温性が無い粗末な毛布を掛けてベッドで寝るだけ。

夜中に寒くて起き出した。この深夜にストーブを点けようとのことで紙類を探

し、燃料として置いてあるバウムクーヘンみたいな木製ペレットに点火しよう

と試みる。紙は勢いよく燃え種火用の薄手のペレットまで火は移るが肝心の

厚手のペレットには点火しない。ついには薄手のペレットも無くなった。

就寝前に火かき棒でペレットを割っとけば良かった、深夜1時過ぎでは音が

でるので無理だ。

こうして寒く侘しいルーズベルトロッジの夜が過ぎていった。 

 

$64+9% tax

 

 

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Tower-RooseveltからOld Faithfulへ】 

                             2008年8月29日(金)               

 

ようやく朝が来た。ルーズベルトロッジの朝は抜けるような快晴であった。

自炊する人もいるからかキャンプ場みたいな匂いと雰囲気がする。朝食の席

は窓際になり、そこから見える外の景色は真っ青な空の下、緑豊かな自然が

見えるものの、当初トライしてみようと思っていたイベントの駅馬車ライド

等をする気もならず、ここを後にした。

[645] ≪1105

 

先ず南にキャニオンに向かい、そこから通り慣れた西のノリスジャンクション

、そこから南西にMadisonをやり過ごし、さらに南のオールドフェイスフ

ルガイザーに向かう。この辺りは道路沿いに緩やかな川が流れており、釣り

の人だろうか、道を外れて車が停まっている。やがて川に接近した道に差し

掛かり多くの車が停車している。こういう場所は必ず動物がいるはずだ。

案の定、川の浅瀬にエルクが数頭見えた。

 

イエローストーン、ノリスからオールドフェイスフルへの道0346

Firehole River    エルクが水浴びしてる】

 

皆、声をたてず静かに眺めたり写真を撮ったりしている。川の流れは緩やかで

天敵の狼がいない最近ではきっと鹿ものんびりと水浴びができるのであろう。

Old Faithfulまでは平坦な道を南下していく。

また、たくさんの車が停車している。何事かと白人男性に聞くと小声で「コ

ヨーテが・・・」という。確かに小川の向こう遠くに茶色の犬みたいな獣が

歩いている。でももっと直近で恐ろしいばかりに毛が抜け落ちたコヨーテを

数年前にジョシュアツリー公園でみているので珍しくもない。

オ−ルドフェイスフルに着く前にBiscuit Basinに立ち寄る。水色の温泉が

陽光に照らされてとても綺麗だ。

 

2008_08312008年イエローストーン、グランド0354

Biscuit Basin 

 

 

2008_08312008年イエローストーンのガイザー0366

Biscuit Basin 】

 

2008_08312008年イエローストーン、グランド0364

Biscuit Basin   Sapphire Pool

 

ビスケットベイスンの先にはブラックサンドベイスンがある。このあたりか

らはイエローストーン最大の観光地であるオールドフェイスフルゆえか、交

通量が増えたような気がする。すると突然こんな山奥の道路に立体交差の道

があらわれる。この立体交差を通るとオールドフェイスフルだ。

かの有名なオールドフェイスフルインは4ヶ月前から既に予約で満員なの

でようやく予約が取れたこの周辺で一番料金が高いオールドフェイスフル

スノーロッジを目指す。いつも思うのだが案内が不十分なホテルが多い。

2回もロッジの周囲を回って漸くチェックインできた。

[708] ≪1305

 

 

2008_08312008年イエローストーン、グランド0399

Old Faithful Snow Lodge 】

 

スノーロッジ、流石に内部の雰囲気、調度品は立派なホテルだ。チェックイン

を済ませ間欠泉が噴き出す前に現場に行くべく早歩きでガイザーに向かう。

まだこの有名なガイザーを取り巻く長いベンチにはそれほどの人はいない。

間欠泉は少しばかりの湯気を出しているのみでとても噴き出す様には見えない。

予定の14時15分、更に30分ほど経っても状態が変わらない。この間欠泉

は1890年の発見以来、噴出間隔が90分と言われており誤差も10分程度

と言うことでの命名だが・・、どこがFaithful(誠実)なのだ!? 

しかも今日は上天気なのでとても暑く、日陰に移動したりして待つしかない。

都合1時間程度経ってから漸く15時過ぎに兆候があらわれた。すでに辺りは

大勢の人が集まっている。噴出音と共に噴き出した蒸気は高さ40m位は有る

だろうか、これはビッグイベントなのである。従って見終わるとなんか仕事が

済んだような気持ちになるのである。

 

2008_08312008年イエローストーン、グランド0384

Old Faithful Geyser 】

2008_08312008年イエローストーン、グランド0372

2008_08312008年イエローストーン、グランド0370

Old Faithful Geyser 】

 

噴出が済むとあっけない感じがする。しかして世界最大のログキャビンと

して知られている有名なオールドフェイスフルインに行く。4階まで吹き抜け

の全て木造りの建物はそれなりに迫力がある。

 

2008_08312008年イエローストーン、グランド0389

Old Faithful Inn

その木造りの建物の吹き抜けの一階には巨大な石のマントルピースがあり、

その周囲には観光客が集まっている。レストラン入口のメニューを見ていた

ら傍に来た田舎くさいけど精一杯服装をきめている?太っちょのおっさんが

話しかけてきた。どこから来たんだい? 俺はモンタナから来たんだよ、

ここは良いところだなあ、てなことを勝手に言っている。きっとこのおっさん、

初めて?の州外旅行で興奮してるのだろう、そして初めて生の東洋人(俺だ!)

でも見て話しかけてきたのかも? まあいいかっ。

 

2008_08312008年イエローストーン、グランド0393

Old Faithful Inn

 

ここオールドフェイスフルは観光地だけあって流石に今回初めて、日本人の

ツアー観光客に出会った。間欠泉の次の噴出に備えて例のベンチ付近で写真

撮影に勤しむ集団だ。こちらはインの山側のGeyser Hillに行った。

夕方、疲労が蓄積したのかヨシが熱を出しダウンしたので部屋での質素な食

事となった。調度品が良い部屋だったが、窓外の景色はいまいちだった。

             $191+6%

          

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Old FaithfulからCanyon Villageへ】 

                              2008年8月30日(土)  

 

 朝になったらヨシの身体の具合が良化、それならと折角なので昨日、遠く

に見えていた派手に湯を噴き上げているガイザーを見に行こうと出かけた。

朝だけにこの地区に宿泊した観光客しかいないようで遊歩道を歩く人も少な

く清々しい。

 

2008_08312008年イエローストーン、グランド0411

【 Old Faithful Firehole  River 】

 

 

2008_08312008年イエローストーン、グランド0412

【 Old Faithful Geyser  Basin 】

2008_08312008年イエローストーン、グランド0418

【 Old Faithful Geyser  Basin 】

遊歩道のあちらこちらから蒸気が上がっていたり、勢いよくお湯を噴き出し

ている。キャッスルガイザーあたりでUターンしてロッジに戻った。朝食は

モーニングバッフェを頼んだ。$11.5で、いつも通りのベーコンエッグ

主体だったが新鮮な生のオレンジジュースがなかったのは失望した。ガソリ

ンスタンドで給油(7.63G)して今日の宿泊地のキャニオンヴィレッジ

に向け出発した。まだオールドフェイスフルでの目玉でもあるMorning

Glory Poolに行っていないので途中で見なくてはならない。

[708] ≪1020

 

Black Sand Basinの駐車場に入れて自動車道路を横切ると徒歩20分程で

モーニンググローリーへのトレイルがあるが、誰もいないし若しグリズリー、

ブラックベアに遭うと怖いので戻りましょうとヨシと言われ、次のBiscuit

Basinからも行く道があるので取りやめ、Black Sand Basinを見てから

Biscuit Basinに向かう。

[710] ≪103511:00

 

2008_08312008年イエローストーン、グランド0441

【 Black Sand  Basin 】

 

2008_08312008年イエローストーン、グランド0444

【 Black Sand Basin   Sunset Lake

 

Biscuit Basinの駐車場に入れて、モーニンググローリー(朝顔)プール

を目指す。遊歩道から歩いてくる人(イタリア人だった)に道を聞いたら

30分ほどで到着する。特に途中のGem Poolが素晴らしいよ、とのこと。

他にもその方面から戻ってくる若いペアなんかもいるので流石にヨシも安心

して歩きだした。ここはFirehole Riverに沿う静かな砂利道の遊歩道でちょっ

としたトレッキングだ。途中、温泉が煮えたぎっているGem Poolに着いた。

この池は観光拠点から外れているので有名ではなく日本のガイドブックには

記載されていない。スカイブルーに透き通っており色の鮮やかさではまさに

宝石のようで色の点では他の泉を圧倒していると思える。またこのあたりの

30℃近い気温の中で湯気を逞しく上げている。きっと熱いだろうと思い、

おそるおそる浅瀬の湯に指先でそっと触ったら、なんと物凄い熱さ! 

「アッチー」と思わず手を引き上げた。良かったー、指を湯につけていたら

完全に火傷していたなー。少し歩くと到着するArtmisia Geyserも素晴らしい。

同じようなエメラルド色の池だが近づくと池の周りの模様が微妙な形をして

いて異次元のようだ。

イエローストーン、JemLake0455

Biscuit BasinMorning Glory Poolの中間地帯  Gem Pool 】

2008_08312008年イエローストーン、グランド0459

Biscuit BasinMorning Glory Pool の中間地帯 Artmisia Geyser

 

砂利道を下るとオールドフェイスフルガイザー拠点からの観光木道の終点に

なっているモーニンググローリープールに反対方向から到着する。イエロー

ストーンを代表する泉として有名なだけに確かに朝顔、と言われればそうか

なと思える。

 

2008_08312008年イエローストーン、グランド0460

Old  Faithful  Geyser         Morning Glory Pool

 

更に木道沿いに道を下って川沿いの間欠泉やものすごい勢いでお湯を噴き出し

ているGrotto Geyser、更に巨大なGiant Geyserまで歩いていく。あまりに

間欠泉が多くて少し飽きてきたがこれが日本に有れば、と思ったりもした。

歩き疲れたので帰り道、Riverside Geyser の傍のベンチで二人共しばし午睡

をとった。陽はまぶしく暖かな昼だった。帰り道は川沿いの上り道を汗をかき

ながらビスケットベイスンの駐車場まで戻った。

[712] ≪110012:45

 

Canyon Villageにはやはり近道であるノリス経由で向かう。従ってイエロー

ストーンをくまなく網羅している8の字道路:グランドループのアッパール

ープとロワーループの内でOld Faithfulから南入口に近いGrant Villageへの

道だけは踏破しなかったことになる。

キャニオン地区はその名の通り渓谷が見どころでありその中心地にヴィジター

センター、ゼネラルストア、レストラン、ホテルがある。ターミナルの広場は

流石に混雑している。いつも思うことだがアメリカは(国立公園の周辺だが)

どんなに混雑していてもなんとか駐車スペースが見つかる。

                     [751] ≪13:45

 

キャニオン観光のためビジターセンターに出向いた。入手した地図には明記

してなかったがセンターのスタッフがNorth Rim側のトレイルに行く自動車

道路は最近、クローズと言っていた。但しBrink of Upper Falls Trailのすぐ

傍から入れるBrink of Lower Falls Trailの駐車場に行けた。そこから坂道

を下るとLower Fallsに到着。レイク付近では穏やかなイエローストーン川も

ここでは落差300mもの渦巻く滝となって轟音と水煙を上げている。滝壺

の向こう側の崖に張り付く様にUncle Tom’s Trailの梯子状の階段が掛っている。

丁度、滝壺上部のビューポイントにいた日本人新婚さん?に聞いたら向こう側

は目の前に滝全体が見えて景色が良いですよ、と言っていた。目をこらすと崖

にかかった梯子階段を上り下りする人が見える。それならばと川向うのSouth

 Rimに行くべく駐車場に戻ってChittenden Bridgeを渡った。

                             [754] ≪14:4515:50

2008_08312008年イエローストーン、グランド0517

Canyon North rim     Lower Falls

 

2008_08312008年イエローストーン、グランド0515

Canyon North rim     Lower Falls

 

2008_08312008年イエローストーン、グランド0520

Canyon North rim     Lower Falls 前方の崖に梯子が見える】

 

South RimにはYellowstone川の南側にいくつかのトレイルがありそれらに

行くための道路となるSouth Rim Driveがある。その先端の駐車場からArtist

 Pointに行ける。駐車場から手前に戻りSouth Rim Trailという川沿いの山道

を辿る。先程のロワー滝が遠望できる。ここは観光客も少なく絶好のポイント

となっている。

2008_08312008年イエローストーン、グランド0530

Canyon South rim Trailからの   Lower Falls

2008_08312008年イエローストーン、グランド0536

Canyon South rim Trailからの    Lower Falls

 

駐車場に戻りArtist Pointに向かって歩き出すとここはLower Fallsを遠望

する絶好のポイントなので観光客でごった返していた。欧米人の中に混ざって

中国人、韓国人のツアー旅行者が目立った。Artist Pointから見るロワー滝の

景色はまるで絵葉書のようだ。

 

2008_08312008年イエローストーン、グランド0540

Canyon South rimArtist  Pointからの    Lower Falls遠望】

 

混雑した場所では雰囲気が損なわれるのでSouth Rim Drive を戻りUncle

Tom’s Trailの駐車場に行く。North Rimのロワー滝のビューポイントから

見えた梯子階段を目指す。そのつもりが道を間違えUpper Fall’sを望む場所

に出てしまった。しかしここも中々の景色で眼下に滝が望める。まさにグラ

ンドキャニオンの小型版といった感じだ。おまけにここも観光客がおらず、

駐車場への帰り道ですぐ傍を警戒するでもなく歩いてくる鹿(Deer)にも

出会えた。

今度は道を間違えず目的のUncle Tom’s Trailに向かう坂道を降り、滝を望む

梯子階段の上に到着した。午後7時近くになっていたがまだ辺りは夕方の始

まりと言う感じだった。

2008_08312008年イエローストーン、グランド0555

ガイドブックにも老人は無理と書いてあった程、急な階段なので流石にヨシが

大丈夫なの、と怖がり僕でも足がすくむ感じ。鉄の手すりにつかまって下に降

りる。降りるにつれ段々とLower Fallsの滝に近づき、音も大きくなってくる。

最下点には滝に正対して展望台があり生憎インド人系の若者が大勢いて喧しく、

折角の雰囲気を損ねた。

 

2008_08312008年イエローストーン、グランド0580

Canyon South-rim     Uncle Tom’s Trail

イエローストーン、キャニオン ロワー滝0536

Canyon South-rim Uncle Tom’s Trail からのロワー滝】

 

2008_08312008年イエローストーン、グランド0574

Canyon South-rim     Uncle Tom’s Trail

 

戻りは勿論400段近い梯子階段を登るのである。もう暗くなりつつあった。

                              [756] ≪16:1019:00

 

こうしてGrand Canyon of the Yellowstoneを堪能し、キャニオンヴィレッジ

にチェックインしてそこのレストランで夕食とした。雰囲気もいまいちで予想

通りヨシのオーダーしたGritsはひどい味と言う。僕はXanterraのレストラン

共通でお勧めのカナダ産のスモークドサーモンをオーダー、木の葉みたいな紙

に巻いてあったが味は問題なかった。ただ、今夜はビールに代えエールをオー

ダーしたらウェイトレスがナイスチョイスとか褒めていたが、とても僕の舌に

合う代物ではなかった。

予想通りというか料金通り宿泊場所は矢張りキャビンだった。ここのキャビン

群は広くてすっかり暗くなった中を目的のキャビンを車で懸命に探す羽目に

なった。更に雨が降りだしてきた。

でももう全く問題は無いのだ、旅はもう終わりだもん、と二人で納得。

このキャビンも粗末な作りに思えたがルーズベルトロッジですっかり慣れっこ

になっているので問題無し。狭いベッドだが二つあるだけましだ。窓にもちゃ

んと網戸が備わっているだけでも良い。気温も相当下がってきたので狭いシャ

ワールームで熱い湯を浴びる。これだけでも少し生き返った気分だ。こうして

5日も過ごしたイエローストーン最後の夜はショボ振る雨に煙る森の中のキャ

ビンだった。

                $70+9% 

 

 

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YellowstoneからSalt lake Cityへ】 

 2008年8月31日(日)  

 

                                       [762] ≪7:20

 

昨夜の雨も上がった。今日は400マイル程走るので早々にキャニオンヴィ

レッジを出発した。NorrisからMadisonを経由してWest Entranceに到着。

この西入口から今日は日曜日だからか乗用車、バスがどんどん進入してくる。

なかなか立派なWest Gateをくぐるともうイエローストーン公園とはおさらば

だ。ワイオミング州からアイダホ州West Yellowstoneの街並みに入る。

西部劇に出てきそうな街角に車をとめ、本屋とコーヒーショップを営んでいる

店で朝食だ。久しぶりに美味しい朝食をした。特にハムを挟んだキッチュが美

味しくコーヒーもグッドだった。

           [802] ≪8:208:45

 

2008_08312008年イエローストーン、グランド0587

West Yellowstone の街角 】

2008_08312008年イエローストーン、グランド0591

West YellowstoneからIdahoAshtonへの一本道ルート20】

 

アイダホ州は地方道路でも制限速度75Miles、行き交う車がもの凄いスピー

ドで走っている。Ashtonを経由してIdaho Fallsのインターチェンジから

IS15に乗る。行き交う車も少なく眠くなる道だが町に近づくと急に交通

量が増える。矢張り今日は日曜日なのだ。

 

2008_08312008年イエローストーン、グランド0595

Idaho州 Lava 近郊のIS15のレストエリア】

 

IS15に乗ってからIdaho州のLava付近のレストエリアで小休止する。

今日はただただ走るだけ、IS84号線に合流してSalt Lake Cityに入った。

矢張り都市に近づくと周りの車に合わせて運転が荒くなるのは否めない。

ネバーロストで探した空港付近に到着。Hiltonを目指したがその手前に新し

いモーテルが見えた。Holiday inn SLC-APだ。新しいからかこの車のネバ

ーロストには登録されていないようだ。聞いてみると$75程度でAAA割引、

JCBも使えるとのことなので宿泊することにした。

 

     [1,127] ≪14:20

 

2008_08312008年イエローストーン、グランド0600

Salt Lake City Air-port近在のHoliday inn

 

館内は真新しく部屋の調度品も新品だ。そもそも値段が安いのが気に入った。

部屋に入って5分もしないうちにスコールみたいに大雨が風と共に降り出した。

先程まであれ程、晴れていたのに、気候の違いを感じた。大きな真新しいバス

タブにつかると昨日までの国立公園のキャビンとの違いを実感した。

こうして約1800Kmドライブした6泊7日、グランドティトン、そして

イエローストーンの旅は終了した。

走行距離は1,130マイル、ちなみに今回はスピード違反でハイウェイ

パトロールのお世話にはならなかったのが幸いだった。

 

 

          【終わり】


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